建物そのものに丸味を加えて欲しいという要望も最近は多くあります。
要望に応えたデザイン設計をしますが、家、建物そのものが、丸くなると、今度は、樹木と合わせづらいという弊害も起こってきます。建物全体が外観として見えるようでは自己主張が過ぎる感じになるし、逆に、樹木に覆い尽くされている家というのも違和感があります。つまり、建物と植物のバランスです。
わたしは、建物の高さの3分の2くらいのバランスで、植物が生えている家というのが外観的にも、いちばんバランス良い家だと考えています。また、植物の成長度合いも考慮して、設計をすると良いと思います。古い家で、もとから生えていたスゴク高い木が周囲にある家があります。
でも、あれは、そのままでもかまいません。自然がつくり出すモノに汚い要素はありません。自然はそのままの姿で「美」があります。
家、建物そのものは「安定性」が大切です。
シンメトリックな構造は安定感を強調しやすいデザイン。逆に、建物上部が大きすぎる、重すぎるようなデザインは「不安定」を生みます。
ビル建築で、上部が極端に大きく設計された建物などがありますが、あれは一般住宅ではありませんから。デザインで自己主張する建造物と見なせば、そこには緊張感も出てきて、デザイン設計された意味もあるのでしょう。
でも、ふつうの方が暮らす住宅には、やっぱり「安定性」が基本にあります。
コラム